5.3.19. エネルギー分布の定義

エネルギー分布をもつ線源粒子を定義する場合は、 e0 パラメータではなく、 e-type サブセクションを用います。 ただしその際、 e0 はコメントアウトなどで未定義となるようにしてください。 また、エネルギーの単位は、原子核以外はMeV、原子核の場合はMeV/nとなります。 ただし、本節の以下の説明では、エネルギーの単位がMeVの場合のみを示していますので、原子核の場合は適宜MeV/nに読み替えてください。

表 5.3.215 に、利用できる線源のエネルギー分布の種類をまとめます。 幾つかの特殊な場合を除き、分布の種類は積分型か微分型で大きく分かれています。 積分型はエネルギーに関して積分した強度を定義するのに対し、微分型はエネルギー微分値、すなわち単位が[particles/MeV]で与えられた線源スペクトルを定義してください。 また、線源の発生方法には、与えられた強度に対して生成する粒子数を調整するものと、粒子のウエイト値を調整するものがあります。 前者は、分布を再現するように、各エネルギービンに生成する粒子の数を統計的に調整します。 これに対して後者は、各ビンに同数の粒子を生成させ、粒子のウエイト値を強度に合わせて変化させることにより、分布を再現します。

表 5.3.215 線源のエネルギー分布の種類。発生方法には、粒子のウエイト値を一定にして各ビンで発生させる粒子数を調整する方法と、粒子数を一定にして各ビンでウエイト値を変更する方法があります。e-type に括弧の数字を指定すると、エネルギー点を波長 (Å) で与えることができます。

エネルギー分布の種類

発生方法: e-type

説明

積分型連続エネルギー分布

粒子数:1, (11), ウエイト値:4, (14)

各エネルギービンの下限値とそのビンにおける線源粒子の生成確率の積分値を与えることにより、連続的なエネルギー分布を指定する。

微分型連続エネルギー分布

粒子数:21, (31), ウエイト値:24, (34)

各エネルギービンの下限値とそのビンにおける線源粒子の生成確率の微分値を与えることにより、連続的なエネルギー分布を指定する。

二重微分型(エネルギー・角度)連続分布

粒子数:41, (51), ウエイト値:42, (52)

上記の微分型連続エネルギー分布と同じ形式だが、角度毎に異なるエネルギースペクトル(/MeV/sr)を行列形式で指定する。各行が各エネルギービン、各列が各角度ビンに対応する行列形式で二重微分強度を指定する。この形式を定義する場合は、それ以前にdir = data及びa-type = 1, 4, 11, もしくは14を定義する必要がある。

離散的エネルギー分布

粒子数:8, (18), ウエイト値:9, (19)

各エネルギー点とその点における線源粒子の生成確率を与えることにより、離散的なエネルギー分布を指定する。

離散的 + 積分型連続エネルギー分布

粒子数:22, (32), ウエイト値:23, (33)

各エネルギービンの下限値・上限値とそのビンにおける線源粒子の生成確率の積分値を与えることにより、任意のエネルギー分布を指定する。

微分型ガウス分布

粒子数:2, (12)

分布の中心値と半値全幅を与えることにより、微分線源スペクトルをガウス分布で与える。

微分型マクスウェル分布

粒子数:3, ウエイト値:7

温度パラメーターを与えることにより、微分線源スペクトルをマクスウェル分布で与える。

微分型任意関数分布

粒子数:5, (15), ウエイト値:6, (16)

微分線源スペクトルを任意関数で与える。

RI線源によるエネルギー分布

粒子数:28, ウエイト値:29

放射性核種と放射能を与えることにより、その核種の崩壊に伴って放出される放射線を線源とする。

タリー結果を用いたエネルギー分布

粒子数:20

タリーで求めたエネルギー分布を線源の分布として指定する。

宇宙線フラックスのエネルギー・角度分布

粒子数:25, ウエイト値:26

宇宙空間及び大気圏内における宇宙線フラックスのエネルギー及び角度分布を絶対値も含めて再現する線源。

定義したいエネルギー分布の種類や発生方法に応じて、該当する e-type を指定してください。 e-type の値によって、各サブセクションの入力形式が変わります。 以下では、各 e-type の入力形式とパラメータについて説明します。 (D=***) のあるものは、省略可能です。