9. 領域エラーチェック

3次元体系を構築する際、ある場所を 2 つ以上の領域で定義してしまう多重定義や、1 つも領域を設定しない未定義領域が生じる可能性があります。 これらの領域エラーが発生した状態では、輸送している粒子の現在位置がわからなくなってしまう場合があり、適切な輸送計算を実行することができません。 領域エラーチェックは、構築した体系内に多重定義や未定義領域がないか確認するための機能です。 この機能を利用して、領域エラーのない 3 次元体系を作成してください。

領域エラーチェック機能は、ジオメトリを 2 次元表示するタリーで自動的に実行されます。 具体的には [t-gshow][t-rshow] タリー、および icntl=8 or 10 の場合に axis = xy, yz, or xz として gshow または rshow オプションを指定したタリーが該当します。

領域エラーがある場合、図 9.1 のような出力結果が得られます。 多重定義領域がある場合はその領域を黒色で、未定義領域がある場合はその領域を紫色で表示します。 ただし、未定義領域がある場合に、その周りの定義された領域が消えてしまう場合があります。

../_images/RegionCheck.png

図 9.1 領域エラーがある場合の出力結果。

file= で指定したファイル名の拡張子を [original-tally-name].err に変えた領域エラーファイルを作成します。 このファイルには、エラーが起こっている領域の (x, y, z) 座標が次のような形式で出力されます。

リスト 9.1 領域エラー出力の例
Errors of cell definition in EPS Page No. =   1
Overlapped Cell IDs  x, y, z  coodinates
(Cells 0       0  indicate undefined region)
     100     102    -4.847761E+00  1.234568E-11 -1.211940E+00
       0       0    -4.241791E+00 -2.500000E+00 -8.079602E-01

1 行目のエラーは、セル 100 と 102 が x=-4.847761E+00, y=1.234568E-11, z=-1.211940E+00 で重なっていることを示しています。 2 行目のエラーは、x=-4.241791E+00, y=-2.500000E+00, z=-8.079602E-01 の場所が未定義領域であることを示しています。

この領域エラーチェック機能を用いれば、複雑な 3 次元体系を作成する場合でも、効率的にエラー領域を見つけることができます。 ただしこの機能は、タリー領域で指定している範囲しかチェックしません。 また、範囲内であっても xyz メッシュで区切った格子点しかチェックしないため、小さな領域エラーがある場合は見逃してしまう可能性があります。