5.3.22. マルチソースの例題

マルチソースの例題を紹介します。 この例題には、関数を用いたエネルギー分布や、角度分布の例も含まれています。 まず、ソースセクションのリストを示します。

リスト 5.3.3 マルチソースの例題
   1:   [ Source ]
   2:    totfact = 3
   3:   <source> = 9.72
   4:     s-type = 1
   5:       proj = proton
   6:         z0 = 2
   7:         z1 = 29
   8:         r0 = 5
   9:         r1 = 4
  10:        dir = 0.0
  11:     e-type = 6
  12:        eg1 = 1.e-6
  13:        eg2 = 1.e-3
  14:        nm  = -200
  15:       set: c10[1.e-4]
  16:       f(x) = x**(1.5)*exp(-x/c10)
  17:   <source> = 1
  18:     s-type = 1
  19:       proj = photon
  20:         z0 = 1
  21:         z1 = 2
  22:         r0 = 5
  23:        dir = -1
  24:     e-type = 5
  25:        eg1 = 1.e-3
  26:        eg2 = 5.e-1
  27:        nm  = 200
  28:        set: c10[1.e-1]
  29:        set: c20[1.e-1/2.35482]
  30:       f(x) = exp(-(x-c10)**2/2/c20**2)
  31:   <source> = 1
  32:     s-type = 1
  33:       proj = neutron
  34:         z0 = 29
  35:         z1 = 30
  36:         r0 = 5
  37:     e-type = 6
  38:        eg1 = 1.e-2
  39:        eg2 = 1.e+3
  40:        nm  = -200
  41:        set: c10[92.469]
  42:        set: c20[5.644e+10]
  43:       f(x) = c10/c20*exp(-sqrt(x*(x+1876))/c10)*(x+938)/sqrt(x*(x+1876))
  44:        dir = data
  45:     a-type = 5
  46:        ag1 = 0
  47:        ag2 = 1
  48:        nn  = 200
  49:       g(x) = exp(-(x-1)**2/0.3**2)

この例題には、3つの <source> で始まるソースが含まれる。 最初のソースは、円柱で \(z\) が 2 cm から 29 cm で、半径が 5 cm、ただし、r1 = 4 が定義してあるので、半径 4 cm の内側は含まれていない。 中空の円柱ソースである。 次のソースは、やはり円柱で半径 5 cm、 \(z\) が 1 cm から 2 cm までの厚さが 1 cm の薄い円柱である。 最後のソースは、前のと同じ薄い円柱で、 \(z\) 座標が 29 cm から 30 cm までである。 各ソースの <source> に定義される値は、各ソースの相対比である。 ここでは、各ソースの体積比になっている。 従って、このマルチソースでは、定義されるソース領域に均一に粒子が生成される。 この座標分布を [t-product] で output = source, icntl = 6 で計算したものを以下に示す。 このソースは、円柱の表面、厚さ 1 cm の領域を定義している。

multi-source1

図 5.3.7 マルチソース、空間分布 (1)

multi-source2

図 5.3.8 マルチソース、空間分布 (2)

multi-sourcee

図 5.3.9 マルチソース、空間分布 (3)

次に、3つのソースは、ソース粒子が、陽子、光子、そして中性子である。それぞれエネルギー分布が関数で定義してある。 最初のものは、Maxwell分布、次がガウス分布、最後が任意の関数である。最初のMaxwell分布は、e-type=7の

e-type = 7
  et0 = 1.e-4
  et1 = 1.e-6
  et2 = 1.e-3

と同義である。 また、2番目のガウス分布は、e-type=2の

e-type = 2
  eg0 = 1.e-1
  eg1 = 1.e-1
  eg2 = 1.e-4
  eg3 = 5.e-1

と同義である。

これらのエネルギー分布を、やはり、[t-product]で output=source, icntl=6 で計算したものを以下に示す。 結果は、粒子ごとにプロットしているので、各ソースごとのエネルギー分布が色別に表されている。

multi-source4

図 5.3.10 マルチソース、エネルギー分布

最初のソースは、dir=0, 即ち90度方向、2番目が dir=-1, 180度方向、3番目が dir=data で角度分布を持つ。 ここでは、0度を中心としたガウス分布が関数形で定義されている。この結果は、[t-cross] を用いて次のように表される。

multi-source5

図 5.3.11 マルチソース、角度分布