5.2.5. 阻止能モデル

表 5.2.63 ndedx

説明

(D=3)
電子・陽電子を除く荷電粒子の \(dE/dx\) オプション
=0
重イオンはSPAR [1] 、他はNMTCオリジナル
=1
重イオン、陽子はATIMA [2] 、他はNMTCオリジナル
=2
重イオン、陽子、パイオン、ミューオンはSPAR、他はNMTCオリジナル
=3
全ての荷電粒子に対してATIMAを利用する
表 5.2.64 mdbatima

説明

(D=500)
ATIMA用データベースの最大値
表 5.2.65 dbcutoff

説明

(D=0.0)
ATIMA用データベース作成の下限エネルギー(MeV/n)
表 5.2.66 ih2o

説明

(D=-1)
ATIMAの時の水(H2Oのみ)のIonization Potentialオプション
< 0
デフォルト値、75 eV
> 0
水のIonization Potential (eV)
表 5.2.67 ifixchg

説明

(D=0)
ATIMAで阻止能を計算するときの電荷数
=0
有効電荷。高エネルギーの場合は完全電離(フルストリップ),エネルギーが低くなると経験式に従って徐々に電荷が下がる。
=1
固定値。基本的には完全電離を仮定するが,izstパラメータで線源粒子の電荷を指定した場合,核反応が起きるまではその値となる。実際は物質中ですぐに電子がはぎ取られて完全電離状態となるが,その過程は模擬できないため,薄膜やガス中での計算を想定。
表 5.2.68 irlet

説明

(D=1)
\(\delta\) 線生成機能を使ったときの荷電粒子の \(dE/dx\) 計算手法。
=0
従来手法(実際に生成した \(\delta\) 線のエネルギーを非制限阻止能から差し引く方法)。
=1
制限付阻止能。

ndedxは、バージョン2.00以前はndedx=0を、それより後からバージョン2.85まではndedx=2をデフォルトとしておりましたので、注意してください。

バージョン2.85より、阻止能計算モデルATIMAのアルゴリズムを改良し、高速化しました。従来のアルゴリズムでは、輸送計算の途中で新たな粒子が発生したり、別の物質に到達したりする度に、毎回ATIMAによる阻止能計算を実行し、粒子の飛程を求めていました。そこで、計算された粒子・物質の組みに対する情報をデータベースとして記憶しておき、次回の同じ組の呼び出しではデータベースを参照することで、計算負荷の高いATIMAの呼び出し回数を減らすように変更しました。この改良により、精度の高いATIMAを用いたPHITSシミュレーションが、SPARを用いた場合とほぼ同程度の計算時間で実行できるようになりました。

バージョン2.97より、NpからBk( \(93\le Z\le97\) )の元素を含む物質についても、ndedx=3を使用できるようになりました [3] 。その際、核的阻止能の計算に必要となるイオン化ポテンシャルおよび密度補正のパラメータを文献 [4] より追加し、電子的阻止能の計算はSPARで代用しました。