5.2.13. EGS5用パラメータ

表 5.2.99 ipegs

説明

(D=0)
PEGS5(EGS5用断面積生成プログラム)コントロールオプション。
pegs5.inpをユーザー自身で変更したいときに使用します。なお、ipegsが
1以上の場合、iegsoutは自動的に1となりPEGS5関連ファイルを残す
ようにします。(ただし、iegsout = 2としている場合は変更しません。)
また、negs \(\ne1,2\) のときは無効となります。
=-1
PEGS5.inpの作成○、PEGS5の実行○、PHITSの実行×
=0
PEGS5.inpの作成○、PEGS5の実行○、PHITSの実行○
=1
PEGS5.inpの作成×、PEGS5の実行○、PHITSの実行○
=2
PEGS5.inpの作成×、PEGS5の実行×、PHITSの実行○
表 5.2.100 imsegs

説明

(D=1)
多重散乱(Multiple Scattering)の扱いに関するオプション。
=0
EGS5オリジナル手法。ソース発生直後のみstarting scattering strengthを
使って多重散乱を詳細に模擬し、その後は、maximum scattering strengthを
使用する。
=1
PHITS-EGS5独自の手法。物質が変わるたびにstarting scattering strengthを
使用して多重散乱を詳細に模擬する。これにより、多少計算時間が長くなる
が、chardパラメータを変更することなく薄膜による散乱をある程度正確に
模擬できるようになる。
表 5.2.101 iegsout

説明

(D=0)
EGS5用出力ファイルオプション
=0
EGS5用の出力ファイルを残さない。ただし、計算を途中で打ち切った
場合は、ファイルが残る場合があります。
=1
再読込するファイル(pegs5.inp, pegs5.dat, pegs5.msfit)のみ残す
=2
全て残す。各ファイルに出力される情報の詳細は、EGS5のマニュアル [1]
ご参照ください。

PEGSはEGS5を使用する前に動作させるFortranのサブプログラムです。EGS5の計算で必要となる物質毎の断面積データを生成します。

negs=1,2 の場合、電子・陽電子・光子の輸送エネルギー下限に対するデフォルト値がemin(12,13)=0.1, emin(14)=0.001となります。上限は、negs=1の場合dmax(12-14)=1000.0 (1 GeV)、negs=2の場合dmax(12-14)=1e+7 (10 TeV)となります。ただし、これらの値を[parameters]セクションで直接指定した場合は、指定した値が優先されます。また、多くのEGS5用パラメータのデフォルト値がオリジナルEGS5の値と異なっていることにご注意ください。

バージョン2.76よりEGS5を使用している場合でも光核反応を考慮することができるようになりました。ipnint=1とした場合は、以前のバージョンと結果が変わりますのでご注意ください。

表 5.2.102 iegsrand

説明

(D=-1)
EGS5で使う乱数初期値。0以上を指定した場合、EGS5用の乱数を使う
ため、MPI並列計算や再開始計算ができなくなることにご注意ください。
< 0
EGS5用の乱数は使わない(PHITSで使う乱数をそのまま利用する)
=0
EGS5のデフォルト乱数初期値(314159265)を使う
> 0
指定した値をEGS5乱数初期値として使う
表 5.2.103 iedgfl

説明

(D=1)
K及びL殻特性X線に関するオプション
=0
K及びL殻特性X線を扱わない
=1
K及びL殻特性X線を扱う
表 5.2.104 iauger

説明

(D=1)
K及びL殻オージェ電子に関するオプション
=0
K及びL殻オージェ電子を扱わない
=1
K及びL殻オージェ電子を扱う
表 5.2.105 iraylr

説明

(D=1)
レイリー散乱(Rayleigh scattering)に関するオプション
=0
レイリー散乱を扱わない
=1
レイリー散乱を扱う
表 5.2.106 lpolar

説明

(D=0)
光子散乱での直線偏光(linearly polarized photon scattering)に関する
オプション(未対応)
=0
直線偏光を扱わない
=1
直線偏光を扱う
表 5.2.107 iunrst

説明

(D=0)
PEGS5による阻止能出力オプション。ただし、計算結果が変わってしまう
ので、0以外の値を指定する場合はipegs=-1としてPEGS5のみ実行する
こと。
=1
unrestricted collision only
=2
unrestricted collision and radiative
=3
unrestricted collision, restricted radiative
=4
restricted collision, unrestricted radiative
=5
unrestricted radiative only
=6
restricted radiative only
=7
restricted collision only
表 5.2.108 chard

説明

(D=0.1)
EGS5のステップサイズをコントロールするパラメータ。imsegs=0として
薄膜のある体系を計算する場合、その薄膜の厚さ程度に設定する必要が
あります。オリジナルのEGS5では物質毎に設定できますが、PHITSでは
全ての物質に対して同じ値を設定します。
また、負値を入力した場合は、その絶対値を各物質の密度(g/cm \(^3\) )で割った
値をEGS5で使用するchardパラメータに設定します。密度が薄く巨大な
体系(kmオーダー)では、負値を設定することにより、計算時間を大幅に
短縮できます。
表 5.2.109 epstfl

説明

(D=0)
ICRU90に格納された衝突断面積に関する密度補正係数を利用するオプション。
=0
ICRU90を使わない。
=1
ICRU90を使う。この場合、[material]セクションで定義した物質から、液体の水、グラファイト、空気を自動的に判別して、それらの物質に対してICRU90に対応した密度補正係数を使います。自動判別する基準は以下の通りです。
液体の水:H及びOで構成され密度が0.9-1.1 g/cm \(^3\) の物質
Cで構成され密度が1.55-2.40 g/cm \(^3\) の物質
C, N, O, 及びArで構成され密度が0.03 g/cm \(^3\) の物質。このしきい値密度はgasegsパラメータで調整可能です。
表 5.2.110 gasegs

説明

(D=0.03)
この密度以下の物質は、PEGSで自動的に気体とみなされます。
表 5.2.111 incohr

説明

(D=1)
コンプトン散乱角の非干渉散乱関数(incoherent scattering function、
S/Z rejection)に関するオプション
=0
非干渉散乱関数を使わない(自由電子との散乱)
=1
非干渉散乱関数を使う(束縛電子との散乱)(iboundが自動的に1に
固定されます)
表 5.2.112 iprofr

説明

(D=1)
コンプトン散乱におけるドップラー効果に関するオプション
=0
ドップラー効果を考慮しない
=1
ドップラー効果を考慮する(incohrとiboundが自動的に1に固定
されます)
表 5.2.113 impacr

説明

(D=1)
EII(Electron impact ionization)に関するオプション
=0
EIIを考慮しない
=1
EIIを考慮する
表 5.2.114 ieispl

説明

(D=0)
EIIにより発生する光子の扱いに関するオプション
=0
分割しない(no splitting)
=1
分割する(splitting)
表 5.2.115 neispl

説明

(D=0)
ieispl=1のときに分割する光子の数
表 5.2.116 ibrdst

説明

(D=1)
制動放射の発生角度に関するオプション
=0
固定値
=1
サンプリング
表 5.2.117 iprdst

説明

(D=1)
電子対生成の発生角度に関するオプション
=0
固定値
=1
サンプリング
表 5.2.118 iphter

説明

(D=1)
光電子の角度分布に関するオプション
=0
固定値(入射光子の方向)
=1
サンプリング
表 5.2.119 ibound

説明

(D=1)
コンプトン断面積に関するオプション
=0
自由コンプトン断面積(free Compton cross section)
=1
束縛全コンプトン断面積(bound total Compton cross section)
表 5.2.120 iaprim

説明

(D=1)
制動放射断面積に関するオプション
=0
Motz et al.の経験式を使う
=1
ICRU-37で与えられた放射阻止能(radiative stopping power)に規格化する
=2
規格化しない