7.17. [ T-WWBG ] セクション¶
[t-wwbg] は、[ww bias] のパラメータを出力するタリーです。 本タリーは Weight Window Bias Generator (WWBG) となっており、[weight window] で与えるウエイトの下限値にバイアスをかけることができる [ww bias] のパラメータを自動的に用意することができます。 [ww bias] は、特に [t-wwg] を用いて自動的に [weight window] を作成した際、更に特定の領域にウエイト値のバイアスをかけたい場合に利用できます。 図 7.17.1 に、[weight window] と [ww bias] を組み合わせた輸送計算を実行する際の流れを示します。 最初に [t-wwg] を用いて [weight window] を作成します。 これで十分な場合は不要ですが、注目しているタリー領域が限定的である場合は、[ww bias] を作成して特定の領域にバイアスをかけることにより、効率的に統計量を増やすことが可能となります。 [ww bias] を作成する方法は 2 通りあり、本節で紹介する [t-wwbg] を利用して自動的に作成する方法と、手動で作成する方法です。 [t-wwbg] は、1 つのインプットファイルにおいて 1 つのみ指定でき、[parameters] において icntl=15 とすることで動作します。 [ww bias] の設定方法や手動で作成する方法については、5.20 章 WW Bias セクションを参照してください。 また、作成した [ww bias] と [weight window] を組み合わせた輸送計算を実行する場合は、[parameters] において icntl=0 および iwwbias=1 としてください。
図 7.17.1 [weight window] と [ww bias] を組み合わせた輸送計算の概要。¶
図 7.17.2 円柱領域を指定する際のパラメータ。¶
[t-wwbg] で用意されるバイアス値は、 図 7.17.2 にある始点 (x0,y0,z0) と終点 (x1,y1,z1) で決まるベクトルを中心軸とする複数の円柱領域において段階的に設定されます。 図 7.17.2 に示したのは、3 つの大きさの違う円柱が入れ子構造となっている円柱領域の断面図です。 円柱領域を指定するのに必要なパラメータは、上記の始点と終点の座標の他、n-mesh、r-mesh、z-mesh、f-mesh です。 n-mesh は入れ子構造を取る円柱の数です。 r-mesh、z-mesh はそれぞれ円柱の半径と高さに関する差分量となっており、 図 7.17.2 に示すように各円柱の大きさを定義します。 これらはそれぞれ n-mesh の数と同じだけ指定する必要があります。 また、f-mesh では、[t-wwbg] で指定したいバイアス値を円柱領域の内側から指定することができます。 f-mesh として (n-mesh)+1 個のバイアス値が必要で、最後の値は定義された円柱領域外のバイアス値を意味します。 これらの円柱領域は実際の輸送計算の体系とは無関係に定義することができ、指定された各円柱領域のバイアス値を参照しながら、実際の各領域のバイアス値を決定します。 なお、このセクションで定義した円柱領域が [cell] で定義した外部ボイド領域に入ってしまう場合は、r-out を用いて外部ボイドを拡張することができます。
[t-wwbg] の入力書式は、以下の通りです。
value |
explanation |
reg, xyz, tet |
メッシュ型です。 reg、xyz、tet のみ指定可能です。 この下にメッシュ型サブセクションが必要です。 |
value |
explanation |
all (default), particle name |
タリーする粒子です。 |
value |
explanation |
1, 2, 3, 4, 5 |
エネルギーメッシュ。 メッシュサブセクションの定義方法は 6.6.1 章 を参照。 |
value |
explanation |
1, 2, 3, 4, 5 (省略可) |
時間メッシュ。 メッシュサブセクションの定義方法は 6.6.1 章 を参照。 |
value |
explanation |
xy, yz, xz, wwbg |
再開始計算は不可です。 xy、yz、xz を選択する場合は rshow オプションが必要です。 |
value |
explanation |
|
出力ファイル名を定義します。 これは axis の各設定に対して必要です。 |
value |
explanation |
(省略可) |
ANGEL パラメータ。 |
value |
explanation |
(省略可) |
\(x\) 軸タイトル。 |
value |
explanation |
(省略可) |
\(y\) 軸タイトル。 |
value |
explanation |
(省略可) |
\(z\) 軸タイトル。 |
value |
explanation |
0 (default), 1, 2, 3 |
mesh=xyz かつ axis=xy,yz,xz の時、領域境界 (1)、物質番号 (2)、領域番号 (3) を表示します。 この下に xyz 形状メッシュセクションが必要です。 |
value |
explanation |
1 (default) |
rshow 時の表示オプションです。 |
value |
explanation |
0.5 (default) |
rshow 時の表示オプションです。 |
value |
explanation |
0 (default), 1 |
eps ファイルの出力オプションです。 ファイル名は、file で指定した出力ファイルの拡張子を eps に変えた名称です。 |
value |
explanation |
バイアスをかける円柱領域の始点の x, y, z 座標です。 |
value |
explanation |
バイアスをかける円柱領域の終点の x, y, z 座標です。 |
value |
explanation |
n |
円柱領域の数です。 |
value |
explanation |
rm1, rm2, ..., rmn |
円柱領域の半径の差分です。 n-mesh で指定した数だけ必要です。 |
value |
explanation |
zm1, zm2, ..., zmn |
円柱領域の長さ方向の差分です。 n-mesh で指定した数だけ必要です。 |
value |
explanation |
fm1, fm2, ..., fmn, fm(n+1) |
円柱領域のバイアス値です。 (n-mesh)+1 個の値が必要です。 |
value |
explanation |
0 (default) |
拡張する外部ボイドの半径 [cm] です。 0 の場合は拡張しません。 |
[weight window] と [ww bias] を組み合わせて輸送計算で使用するには、同じ領域を指定する必要があるため、[t-wwg] を用いて自動的に [weight window] を作成する場合は、[t-wwbg] にも [t-wwg] と同じ領域の定義が必要です。
1: [ T - WWBG ]
2: mesh = xyz
3: x-type = 2
4: nx = 30
5: xmin = -75
6: xmax = 75
7: y-type = 2
8: ny = 30
9: ymin = -75
10: ymax = 75
11: z-type = 2
12: nz = 40
13: zmin = 0.0
14: zmax = 200
15: axis = wwbg
16: file = wwbg.out
17: part = neutron
18: e-type = 1
19: ne = 2
20: 0.0 1e-3 1.0
21: x0 = 0.0
22: y0 = -20
23: z0 = 50
24: x1 = 0.0
25: y1 = 20
26: z1 = 150
27: n-mesh = 3
28: r-mesh = 10 10 10
29: z-mesh = 10 10 10
30: f-mesh = 1.0 0.5 0.1 0.05
31: r-out = 1000
この例題では、始点と終点をそれぞれ (0, -20, 50)、(0, 20, 150) としており、これらにより指定されるベクトルを中心軸とした 3 つの円柱領域が定義されています。 図 7.17.3 に示したのが、この例題で用意されるバイアス値の空間分布です。 3 つの円柱の半径は r-mesh により指定されており、一番内側のものから 10 cm ずつ増加しています。 また、これらの円柱の高さは z-mesh により指定されており、円柱の上面側と底面側にそれぞれ 10 cm ずつ、すなわち円柱の高さとして 20 cm ずつ増加しています。 バイアス値は、f-mesh により、円柱領域の内側から 1.0、0.5、0.1、0.05 と段階的に設定されており、その変化の様子を 図 7.17.3 の色の変化から確認することができます。
図 7.17.3 例 リスト 7.17.1 により用意されるバイアス値の空間分布。¶