7.9. [ T-Product ] セクション

核反応による生成粒子、ソースの発生粒子をタリーします。 [t-yield] との違いは、エネルギー分布や時間分布が取れることです。 核データを用いた反応計算では残留核の生成が考慮されません。 ただし、 dmax(2) 以下の中性子による反応の場合は、 e-mode>=1 とすることで残留核もタリーされます。

表 7.9.1 mesh

説明

reg, r-z, xyz, tet
メッシュ型。メッシュ型サブセクションが必要。
表 7.9.2 volume

value

explanation

(省略可)

reg メッシュに対して各領域の体積を定義します。 このオプションの下に体積定義サブセクションが必要です。 ここで定義しない場合は、 [volume] で定義した値が用いられます。 reg=( ) を用いた特殊な領域指定を行い、この volume サブセクションを定義しない場合は、内部で定義された領域番号が input echo に出力されます。

reg vol

体積定義。 詳細は [volume] セクションを参照してください。

表 7.9.3 iechrl

value

explanation

72 (default)

体積入力 echo における1行あたりの最大カラム数。

表 7.9.4 part

value

explanation

all (default), 粒子名

生成粒子。

表 7.9.5 mother

value

explanation

(省略可)

核反応をする母核を限定します。 複数定義可能です。

all, 数

all はデフォルトです。 数を指定した場合、その数だけの核種を次の行に記述します。 負の場合は、それらの母核を対象から外すことを意味します。 output=atomic のときは使用できません。

208Pb Pb

質量数を指定すれば、その核です。 質量数を指定しなければ、その核の同位体全てを指定します。 複数の母核群を指定したいときは、複数の [t-product] セクションを定義します。

mother を指定する場合は、 4.7 章 の書式を使用してください。

表 7.9.6 e-type

value

explanation

1, 2, 3, 4, 5

エネルギーメッシュ。 メッシュサブセクションの定義方法は 6.6.1 章 を参照。

表 7.9.7 e-unit

value

explanation

MeV (default), keV, eV, nm, A0, keV/um

エネルギーメッシュの単位。 nm は波長(ナノメートル)、 A0 は波長(オングストローム)を指定。質量を持つ粒子に対してはド・ブロイ波長となる。 nm, A0 を使用する場合、unit は 1, 2, 11, 12, 21, 22, 31, 32 のいずれかに限定される。 keV/um を指定した場合、エネルギー軸がLETに変換される(eng2let=1 相当)。

表 7.9.8 eng2let

value

explanation

0 (default)

e-type で指定したエネルギーを LET に変換しません。

1

エネルギーを LET に変換します。 LET の単位は keV/um です。 結果を LET の関数として出力するには、 eng2let=1 とした上で axis=let とします。

表 7.9.9 t-type

value

explanation

1, 2, 3, 4, 5 (省略可)

時間メッシュ。 メッシュサブセクションの定義方法は 6.6.1 章 を参照。

表 7.9.10 a-type

value

explanation

1, 2, -1, -2

生成粒子の放出角度に関する角度メッシュです。 1, 2\(\cos\)-1, -2 は degree です。 z 軸からのなす角です。

(省略可)

メッシュサブセクションの定義方法は 6.6.1 章 を参照。

表 7.9.11 axis

value

explanation

eng, let, reg, x, y, z, r

出力データの \(x\) 軸。

tet

出力データの \(x\) 軸。 mesh=tet でのみ有効です。

cos, the

角度です。 \(\cos\theta\), \(\theta\) を表します。

xy, yz, xz, rz

2次元表示。

t

時間軸。

part はアイソマー原子核を指定することも可能です。 Na-24m, In-116m, In-116n, In-116g のように末尾に m 、第一アイソマー、 n 、第二アイソマー、 g 、基底核、を置いて識別できます。 その場合、 [Parameters] セクションで igamma=3 をセットしてください。 igamma=3 の場合でも、 part=Na-24 のように表記すると、従来通り基底核とアイソマーの合計を出力します。

表 7.9.12 unit

value

explanation

1, 2, 3, 4, 5, 6

1: [1/source] 2: [1/cm \(^3\) /source] 3: [1/MeV/source] 4: [1/cm \(^3\) /MeV/source] 5: [1/Lethargy/source] 6: [1/cm \(^3\) /Lethargy/source]

11, 12, 13, 14, 15, 16

11: [1/nsec/source] 12: [1/cm \(^3\) /nsec/source] 13: [1/MeV/nsec/source] 14: [1/cm \(^3\) /MeV/nsec/source] 15: [1/Lethargy/nsec/source] 16: [1/cm \(^3\) /Lethargy/nsec/source]

21, 22, 23, 24, 25, 26

21: [1/sr/source] 22: [1/cm \(^3\) /sr/source] 23: [1/MeV/sr/source] 24: [1/cm \(^3\) /MeV/sr/source] 25: [1/Lethargy/sr/source] 26: [1/cm \(^3\) /Lethargy/sr/source]

31, 32, 33, 34, 35, 36

31: [1/nsec/sr/source] 32: [1/cm \(^3\) /nsec/sr/source] 33: [1/MeV/nsec/sr/source] 34: [1/cm \(^3\) /MeV/nsec/sr/source] 35: [1/Lethargy/nsec/sr/source] 36: [1/cm \(^3\) /Lethargy/nsec/sr/source]

表 7.9.13 samepage

value

explanation

(省略可, D=part)

画像出力ファイルで同じページに表示するデータの種類を指定します。 axis で指定できるパラメータを指定できます。

表 7.9.14 file

value

explanation

file name

出力ファイル名を定義します。 これは axis の各設定に対して必要です。

表 7.9.15 resfile

value

explanation

(省略可, D=file

restart 計算で過去の tally を読み込むファイル名を定義します。 axis を複数定義していても、指定する resfile は1つだけです。

unit=5, 6, 15, 16, 25, 26, 35, 36 の場合の Lethargy は、エネルギーに関する自然対数目盛を表しています。 各エネルギービンの上限と下限がそれぞれ \(E_{\rm high}, E_{\rm low}\) のときに、各 Lethargy の幅を \(\ln(E_{\rm high}/E_{\rm low})\) で与えます。

unit=21 - 26, 31 - 36 の場合の sr は、立体角の単位ステラジアンを表しています。

表 7.9.16 output

value (括弧内の数字は対応する反応識別番号)

explanation

source

[source] セクションで設定した線源粒子をタリーします。

decay (1000)

崩壊反応からの生成粒子です。 RI 線源として定義した粒子は含まれません。

nuclear (default, 2000)

核反応からの生成粒子です。 elastic を含みます。

elastic (2002)

弾性散乱からの生成粒子です。

nonela

非弾性散乱からの生成粒子です。

fission (2018)

核分裂からの生成粒子です。 核分裂中性子源として定義した粒子は含まれません。

atomic

原子相互作用(ただし、電子多重散乱とレイリー散乱を除く)からの生成粒子です。

バージョン3.37より、 output反応識別番号 で定義できるようになりました。 反応識別番号 3000 を指定した場合は、原子反応カテゴリ全体を対象とし、キーワード atomic より広い範囲(電子多重散乱・レイリー散乱・光学光子反応(3010)を含む)を対象とします。したがって、 3000 と文字列キーワード atomic は同等ではありません。 反応識別番号 2000 は核反応カテゴリ全体(弾性散乱を含む)を対象としますが、光学光子反応は含みません。 この表に載っていない反応も、反応識別番号で定義すれば利用可能です。 ただし、 2000+MT 形式の反応識別番号は生成物ベースのMT推定に基づいて判定されるため、実際にマッチするのは MT = 2, 11, 16, 17, 22, 23, 24, 25, 28, 29, 30, 32, 33, 34, 35, 36, 37, 41, 42, 44, 45, 102--109, 111--117 (すなわち 2002, 2011, 20162117)に限られます。この範囲内であってもこれら以外の MT(MT=4, 5, 51--91 など)は選択できません。特に 2003 (MT=3)は生成物ベースの判定では選択できないため、キーワード nonela の代わりに使用することはできません。 また、反応識別番号で指定する場合は複数の番号を指定することが可能で、例えば 3005 3006 とすれば、光電効果もしくはコンプトン散乱で生成された粒子をタリーします。 ただし、一つの output に指定した複数の反応はまとめて(OR判定で)タリーされ、個別に分離することはできません。反応ごとの結果が必要な場合は、複数の [t-product] セクションを設定し、それぞれの output に異なる反応識別番号を指定してください。

表 7.9.17 primary

value

explanation

1 (default), 0

1: 反応後に残る一次粒子と二次粒子を両方タリーします。 0: 反応の二次粒子だけをタリーします。 output=nuclear, elastic, atomic でのみ有効です。 それ以外は自動で 0 になります。

output=decay, source の場合、一次粒子は存在しないので primary は無効になり、 primary によってタリーから除外される粒子はありません。 output=nonela, fission の場合、一次粒子は残存することがありますが、二次粒子と一次粒子の区別はつかないので、 primary は無効になり、 primary によってタリーから除外される粒子はありません。 output=atomic で Track structure モードを使い、かつ primary=1 の場合、原子反応が起こるごとに一次粒子をタリーします。 膨大な回数タリーされるので、意図が正しいかよく確認してください。 output=nuclearnonelaelastic の合計ですが、 elasticprimary は影響し、 nonela の分には影響しません。

表 7.9.18 factor

value

explanation

(省略可, D=1.0

規格化定数。

表 7.9.19 title

value

explanation

(省略可)

タイトル。

表 7.9.20 angel

value

explanation

(省略可)

ANGEL パラメータ。

表 7.9.21 sangel

value

explanation

(省略可)

ANGEL パラメータの特別な書式。

表 7.9.22 2d-type

value

explanation

1, 2, 3, 4, 5, 6, 7

2次元表示のオプション。

(省略可, D=3

表 7.9.23 gshow

value

explanation

0 (default), 1, 2, 3, 4, 5

mesh=xyz かつ axis=xy,yz,xz の場合に、このオプションで領域境界(1)、物質名(2)、領域名(3)、LAT番号(4)を表示します。 gshow=5 は、 icntl=8 の場合にピクセル形式で物質色のみを表示します。

表 7.9.24 rshow

value

explanation

0 (default), 1, 2, 3

mesh=reg,tet かつ axis=xy,yz,xz の場合に、このオプションで領域境界(1)、物質名(2)、領域名(3)を表示します。 このオプションの下に xyz メッシュサブセクションが必要です。

表 7.9.25 x-txt

value

explanation

(省略可)

\(x\) 軸タイトル。

表 7.9.26 y-txt

value

explanation

(省略可)

\(y\) 軸タイトル。

表 7.9.27 z-txt

value

explanation

(省略可)

\(z\) 軸タイトル。

表 7.9.28 resol

value

explanation

1 (default)

gshow または rshow オプションの時、領域境界を求める分解能を各辺 resol 倍します。

表 7.9.29 width

value

explanation

0.5 (default)

線の太さを定義します。

表 7.9.30 dump

value

explanation

データ数

Dump機能により出力する粒子情報の数を定義します。

次行: データ定義

出力する粒子情報の順番を 表 6.7.1 に示す粒子情報番号で定義します。出力したdumpファイルを idmpmode = 1 として接続計算で利用する場合は、18 ( nocas )と19( nobch )は必須となります。

表 7.9.31 material

value

explanation

(省略可)

タリーする物質を指定します。

all

all が default で、未定義と同じです。

物質数

物質数を指定し、次の行で物質番号を定義します。 この値を負値にすると、指定した物質をタリー対象から除外します。

(次の行)

2 5 8 のように物質番号を指定します。 1行に書ききれない場合は、継続行の記号( \ )を使わずに複数行にわたって記述できます。

表 7.9.32 letmat

value

explanation

(省略可)

eng2let=1 の場合のみ有効です。 LET( \(dE/dx\) ) を評価する物質番号です。 省略時は実際の物質です。 物質を指定する場合の密度は、 [Material] セクションで定義された密度となります。 したがって、水に対する LET 分布を計算したい場合、 [Material] セクションで水の密度が 1 g/cm \(^3\) となるように定義する必要があります。 また、負の場合は電子・陽電子の \(dE/dx\) として 1 g/cm \(^3\) の水に対する値が参照されます。

表 7.9.33 volmat

value

explanation

(省略可, D=9

xyz メッシュで material を定義した場合に、各メッシュの体積値を補正するオプションです。 0 は補正なしを意味します。 volmat の値は、1つの xyz メッシュ辺を何分割して走査するかを表します。

表 7.9.34 epsout

value

explanation

0 (default), 1, 2

epsout=1 では、結果を eps ファイルとして出力します。 ファイル名は拡張子を .eps に置き換えたものになります。 epsout=2 では、2次元型の axis=xy, yz, xz, rz を除き、eps ファイルにエラーバーも表示します。

表 7.9.35 bmpout

value

explanation

0 (default), 1

2次元タリー出力の Bitmap 図を生成します。 このファイル名は拡張子を .bmp に置き換えたものになります。 mesh=xyz かつ axis=xy, yz, xz の場合に利用できます。

表 7.9.36 vtkout

value

explanation

0 (default), 1

xyz メッシュのタリー結果を ParaView の入力形式で出力します。 このファイル名は拡張子を .vtk に置き換えたものになります。 mesh=xyz かつ axis=xy, yz, xz の場合に利用できます。

VTKファイルにはタリー値に加えて、各メッシュセルに対応する領域番号(region)と物質番号(material)が出力されます。 gshow=0**(デフォルト)の場合、これらの番号は各メッシュセルの中心座標におけるジオメトリ判定に基づいて設定されます。 この判定はメッシュセルごとに独立して行われ、**resol の値には依存しません。 これにより、複雑なCSG体系や四面体メッシュ体系でも、領域・物質境界付近の判定精度と出力処理の安定性が向上します。

ただし、この方式ではセル中心が部材の内部に入っているかどうかで判定するため、メッシュセルに対して小さい部材は見落とされることがあります。 見落としを減らすには、resol ではなくメッシュ数を増やしてください。

gshow に1以上を指定した場合は、領域番号・物質番号に加えて境界ジオメトリもVTK形式で出力します。 この場合、resol は境界線の分解能に使用されます。

表 7.9.37 vtkfmt

value

explanation

0 (default), 1

ParaView 用出力ファイルの形式。 0: ascii、 1: binary。

表 7.9.38 foamout

value

explanation

0 (default), 1, 2

foamout=1 では、数値データを OpenFOAM field data 形式で出力します。 このファイル名は拡張子を .foam に置き換えたものになります。 foamout=2 では、要素番号、重心の x 座標、y 座標、z 座標、体積、出力データ、相対誤差を CSV 形式で出力します。 このファイル名は拡張子を .csv に置き換えたものになります。 mesh=tet かつ axis=tet の場合に利用できます。

表 7.9.39 maxangel

value

explanation

part の数 (default)

eps ファイルに表示する part の数を指定します。 このパラメータはタリー eps ファイルに表示する粒子数だけを制限し、数値データファイルには影響しません。

表 7.9.40 ctmin(i)

value

explanation

(省略可, D=-9999

i 番目の counter の最小値。

表 7.9.41 ctmax(i)

value

explanation

(省略可, D=9999

i 番目の counter の最大値。

表 7.9.42 chmin(i)

value

explanation

(省略可, D=-9999

i 番目の history-counter の最小値。 このパラメータは batch variance mode の istdev=1 では指定できません。

表 7.9.43 chmax(i)

value

explanation

(省略可, D=9999

i 番目の history-counter の最大値。 このパラメータは batch variance mode の istdev=1 では指定できません。

表 7.9.44 trcl

value

explanation

(省略可)

r-z または xyz メッシュに対する座標変換番号、またはその定義。

表 7.9.45 gslat

value

explanation

2 (default)

gshow または rshow を指定した際の lattice および連続四面体の境界線に関するオプション。

0

描画しない。

1

描画する。 ただし、ボクセルファントムの線は明瞭に描画されないことがあります。

2

同じセル内の線は描画しない。

3

同じ物質内の線は描画しない。 この場合、同じ物質で満たされた隣接セルの境界は、lattice や連続四面体でなくても描画されません。 また、 gshow>=3 の場合でもセル番号や LAT 番号は表示されなくなります。

表 7.9.46 stdcut

value

explanation

(省略可, D=-1

STD cut off のしきい値。

stdcut を指定すると、PHITS は STD、すなわち標準偏差の値に応じて自動的 に計算を停止します。 この機能は stdcut が正で、 [parameters] セクションにおいて itall=0,1 を指定した場合に利用できます。 1バッチの最後に、タリー結果の STD の相対値がすべて 0 より大きく stdcut より小さい場合、計算は停止します。 2つ以上のタリーセクションで stdcut を設定した場合は、それらすべてが 条件を満たした時にこの機能が動作します。

[counter] において coll やこれに属する反応イベントを動作契機として設定した場合は、タリーする前にカウンター値が変わります。 このため、反応イベントが起こった瞬間の情報をタリーする場合は、変更後のカウンター値を指定してください。