7.1. [ T-Track ] セクション

指定した任意の空間における粒子の fluence を出力します。 このタリーでは、指定した空間を粒子が通過した際に、その空間における飛跡長 (track length)を計算しており、 図 7.1.1 に示すように、飛 跡長の和を空間の体積で割ることによって、単位面積あたりの粒子の流量が得ら れるようになっています。

例えば、このタリーは指定した空間に置いた測定機器の応答の状況を調べるのに 利用できます。 各測定機器がもつ応答性能を [cm \(^2\)] の単位をもつ断面積の形で計算 しておけば、その値を本タリーで求めた fluence と掛け合わせることにより、 シミュレートした状況においてその測定機器が何回応答するかを評価できます。

Trackタリー: 空間内の飛跡(実線)の長さを計算する。

図 7.1.1 Trackタリー: 空間内の飛跡(実線)の長さを計算する。

表 7.1.1 mesh

value

explanation

reg, r-z, xyz, tet

メッシュ型。 メッシュ型サブセクションが必要です。

表 7.1.2 volume

value

explanation

(省略可)

reg メッシュに対して各領域の体積を定義します。 このオプションの下に体積定義サブセクションが必要です。 ここで定義しない場合は、 [volume] で定義した値が用いられます。 reg=( ) を用いた特殊な領域指定を行い、この volume サブセクションを定義しない場合は、内部で定義された領域番号が input echo に出力されます。

reg vol

体積定義。 詳細は [volume] セクションを参照してください。

表 7.1.3 iechrl

value

explanation

72 (default)

体積入力 echo における1行あたりの最大カラム数。

表 7.1.4 e-type

value

explanation

1, 2, 3, 4, 5

エネルギーメッシュ。 メッシュサブセクションの定義方法は 6.6.1 章 を参照。

表 7.1.5 e-unit

value

explanation

MeV (default), keV, eV, nm, A0

エネルギーメッシュの単位。 nm は波長(ナノメートル)、 A0 は波長(オングストローム)を指定。質量を持つ粒子に対してはド・ブロイ波長となる。 nm, A0 を使用する場合、unit は 1, 4, 11, 14 のいずれかに限定される。

表 7.1.6 t-type

value

explanation

1, 2, 3, 4, 5 (省略可)

時間メッシュ。 メッシュサブセクションの定義方法は 6.6.1 章 を参照。

表 7.1.7 a-type

value

explanation

1, 2, -1, -2

mesh=r-z とした場合の \(\theta\) に関する角度メッシュ。 メッシュサブセクションの定義方法は 6.6.1 章 を参照。

(省略可)

本タリーに関しては、 mesh=r-z とした場合に、既存の rz メッシュに加え、 \(\theta\) メッシュを指定することができます。 \(\theta\) に関するメッシュを指定する際は、 a-type を用いてくださ い。 また、角度を横軸にして出力する場合は、 axis として raddeg を指定してください。 rad は radian で、 deg は degree の単位で出力します。

表 7.1.8 part

value

explanation

all (省略時), 粒子名

タリーする粒子。

表 7.1.9 axis

value

explanation

eng

エネルギーに対する出力データの横軸。

reg

領域に対する出力データの横軸。

x

x に対する出力データの横軸。

y

y に対する出力データの横軸。

z

z に対する出力データの横軸。

r

r に対する出力データの横軸。

tet

テトラメッシュに対する出力データの横軸。 mesh=tet でのみ有効です。

rad

角度に対する出力データを radian 単位で出力します。 mesh=r-z でのみ有効です。

deg

角度に対する出力データを degree 単位で出力します。 mesh=r-z でのみ有効です。

xy

xy に対する2次元表示。

yz

yz に対する2次元表示。

xz

xz に対する2次元表示。

rz

rz に対する2次元表示。

t

時間に対する出力データの横軸。

表 7.1.10 samepage

value

explanation

(省略可, D=part

画像出力ファイルで同じページに表示するデータの種類。 axis で定義できるパラメータを指定できます。

表 7.1.11 file

value

explanation

file name

出力ファイル名を定義します。 これは axis の各設定に対して必要です。

表 7.1.12 resfile

value

explanation

(省略可, D=file

restart 計算で過去の tally を読み込むファイル名を定義します。 axis を複数定義していても、指定する resfile は1つだけです。

表 7.1.13 unit

value

explanation

1

[1/cm^2/source]

2

[1/cm^2/MeV/source]

3

[1/cm^2/Lethargy/source]

4

[cm/source]

11

[1/cm^2/nsec/source]

12

[1/cm^2/nsec/MeV/source]

13

[1/cm^2/Lethargy/nsec/source]

14

[cm/nsec/source]

unit=3, 13 の場合の Lethargy はエネルギーに関する自然対数目盛を表して います。 各エネルギービンの上限と下限がそれぞれ \(E_{\rm high}\), \(E_{\rm low}\) のときに、各 Lethargy の幅を \(\ln(E_{\rm high}/E_{\rm low})\) で与えます。

unit=1, 2, 3, 11, 12, 13 を指定すると、fluence、すなわち入射粒子あた りの飛跡長の和をその空間の体積で割った値を出力します。 ただし、 reg メッシュを用いている場合は、その体積を [Volume] セク ションで与える必要があります。 これが与えられていないときは、体積が 1 cm^3 であるとして、入射粒子あたり の飛跡長の和をそのまま出力します。 r-zxyz メッシュの場合は体積が自動的に計算できますので、その値 が用いられます。 unit=4,14 を指定すると、体積で割らずにそのまま飛跡長の和を出力しま す。

表 7.1.14 factor

value

explanation

(省略可, D=1.0

規格化定数。

表 7.1.15 title

value

explanation

(省略可)

タイトル。

表 7.1.16 angel

value

explanation

(省略可)

ANGEL パラメータ。

表 7.1.17 sangel

value

explanation

(省略可)

ANGEL パラメータの特別な書式。

表 7.1.18 2d-type

value

explanation

1, 2, 3, 4, 5, 6, 7

2次元表示のオプション。

(省略可, D=3

表 7.1.19 gshow

value

explanation

0 (default), 1, 2, 3, 4, 5

mesh=xyz かつ axis=xy,yz,xz の場合に、このオプションで領域境界(1)、物質名(2)、領域名(3)、LAT番号(4)を表示します。 gshow=5 は、 icntl=8 の場合にピクセル形式で物質色のみを表示します。

表 7.1.20 rshow

value

explanation

0 (default), 1, 2, 3

mesh=reg,tet かつ axis=xy,yz,xz の場合に、このオプションで領域境界(1)、物質名(2)、領域名(3)を表示します。 このオプションの下に xyz メッシュサブセクションが必要です。

表 7.1.21 gslat

value

explanation

2 (default)

gshow または rshow を指定した際の lattice および連続四面体の境界線に関するオプション。

0

描画しない。

1

描画する。 ただし、ボクセルファントムの線は明瞭に描画されないことがあります。

2

同じセル内の線は描画しない。

3

同じ物質内の線は描画しない。 この場合、同じ物質で満たされた隣接セルの境界は、lattice や連続四面体でなくても描画されません。 また、 gshow>=3 の場合でもセル番号や LAT 番号は表示されなくなります。

表 7.1.22 x-txt

value

explanation

(省略可)

\(x\) 軸タイトル。

表 7.1.23 y-txt

value

explanation

(省略可)

\(y\) 軸タイトル。

表 7.1.24 z-txt

value

explanation

(省略可)

\(z\) 軸タイトル。

表 7.1.25 resol

value

explanation

1 (default)

gshow または rshow オプションの時、領域境界を求める分解能を各辺 resol 倍します。

表 7.1.26 width

value

explanation

0.5 (default)

線の太さを定義します。

表 7.1.27 trcl

value

explanation

(省略可)

r-z または xyz メッシュに対する座標変換番号、またはその定義。

表 7.1.28 material

value

explanation

(省略可)

タリーする物質を指定します。

all

all が default で、未定義と同じです。

物質数

物質数を指定し、次の行で物質番号を定義します。 この値を負値にすると、指定した物質をタリー対象から除外します。

(次の行)

2 5 8 のように物質番号を指定します。

表 7.1.29 volmat

value

explanation

(省略可, D=9

xyz メッシュで material を定義した場合に、各メッシュの体積値を補正するオプションです。 0 は補正なしを意味します。 volmat の値は、1つの xyz メッシュ辺を何分割して走査するかを表します。

表 7.1.30 multiplier

value

explanation

物質数

物質ごとに multiplier を指定します。

(省略可)

このオプションの下に multiplier サブセクションが必要です。 詳細は multiplier サブセクションを参照してください。

表 7.1.31 dump

value

explanation

データ数

Dump機能により出力する粒子情報の数を定義します。 mesh = reg のみ有効です。

次行: データ定義

出力する粒子情報の順番を 表 6.7.1 に示す粒子情報番号で定義します。

表 7.1.32 epsout

value

explanation

0 (default), 1, 2

epsout=1 では、結果を eps ファイルとして出力します。 ファイル名は拡張子を .eps に置き換えたものになります。 epsout=2 では、2次元型の axis=xy, yz, xz, rz を除き、eps ファイルにエラーバーも表示します。

表 7.1.33 bmpout

value

explanation

0 (default), 1

2次元タリー出力の Bitmap 図を生成します。 このファイル名は拡張子を .bmp に置き換えたものになります。 mesh=xyz かつ axis=xy, yz, xz の場合に利用できます。

表 7.1.34 vtkout

value

explanation

0 (default), 1

xyz メッシュのタリー結果を ParaView の入力形式で出力します。 このファイル名は拡張子を .vtk に置き換えたものになります。 mesh=xyz かつ axis=xy, yz, xz の場合に利用できます。

表 7.1.35 vtkfmt

value

explanation

0 (default), 1

ParaView 用出力ファイルの形式。 0: ascii、 1: binary。

表 7.1.36 foamout

value

explanation

0 (default), 1, 2

foamout=1 では、数値データを OpenFOAM field data 形式で出力します。 このファイル名は拡張子を .foam に置き換えたものになります。 foamout=2 では、要素番号、重心の x 座標、y 座標、z 座標、体積、出力データ、相対誤差を CSV 形式で出力します。 このファイル名は拡張子を .csv に置き換えたものになります。 mesh=tet かつ axis=tet の場合に利用できます。

表 7.1.37 maxangel

value

explanation

part の数 (default)

eps ファイルに表示する part の数を指定します。 このパラメータはタリー eps ファイルに表示する粒子数だけを制限し、数値データファイルには影響しません。

表 7.1.38 ctmin(i)

value

explanation

(省略可, D=-9999

i 番目の counter の最小値。

表 7.1.39 ctmax(i)

value

explanation

(省略可, D=9999

i 番目の counter の最大値。

表 7.1.40 chmin(i)

value

explanation

(省略可, D=-9999

i 番目の history-counter の最小値。 このパラメータは batch variance mode の istdev=1 では指定できません。

表 7.1.41 chmax(i)

value

explanation

(省略可, D=9999

i 番目の history-counter の最大値。 このパラメータは batch variance mode の istdev=1 では指定できません。

表 7.1.42 stdcut

value

explanation

(省略可, D=-1

STD cut off のしきい値。

stdcut を指定すると、PHITS は STD、すなわち標準偏差の値に応じて自動的 に計算を停止します。 この機能は stdcut が正で、 [parameters] セクションにおいて itall=0,1 を指定した場合に利用できます。 1バッチの最後に、タリー結果の STD の相対値がすべて 0 より大きく stdcut より小さい場合、計算は停止します。 2つ以上のタリーセクションで stdcut を設定した場合は、それらすべてが 条件を満たした時にこの機能が動作します。

表 7.1.43 iextstat

value

explanation

0 (default), 1, 2

拡張された統計指標出力機能のオプション。 0: 平均値と統計誤差の推移を、全ヒストリー数およびバッチ数の関数として出力します。 1: iextstat=0 の内容に加えて、分散の分散 VOV と figure of merit, FOM を全ヒストリー数およびバッチ数の関数として出力し、統計チェックシートも出力します。 2: iextstat=1 の内容に加えて、タリー結果の確率密度分布 PDF を出力します。 この場合は、まずテスト計算でタリー結果の範囲を確認してから、出力範囲を設定して本計算を行ってください。

拡張された統計指標出力機能を使用する場合は、 [parameters] において itall=3 とし、対象とするタリーで anatally サブセクションを設定した上 で、 iextstat を指定してください。 Anatally サブセクションは、タリーセクション中で anatally startanatally end の行に挟まれた領域で定義します。 iextstat=2 で PDF を出力させる場合、対象とするタリー結果の取り得る範 囲がわかっている場合は、 prodenmnprodenmxnbproden パ ラメータによって PDF の出力範囲を指定し、本計算モードで PHITS を動かして ください。 範囲がわからない場合は、これらの3つのパラメータを指定せず、テスト計算モー ドで PHITS を動かし、その範囲を確認してから本計算モードに進んでください。 なお、 iextstatprodenmnprodenmxnbproden は anatally サブセクションの外側で指定するようにしてください。 拡張された統計指標出力機能についての詳細は、拡張統計指標の説明箇所を参照 してください。

表 7.1.44 prodenmn

value

explanation

(省略可, D=1e-2

PDF 出力範囲の下限。

表 7.1.45 prodenmx

value

explanation

(省略可, D=1e+2

PDF 出力範囲の上限。

表 7.1.46 nbproden

value

explanation

(省略可, D=100

PDF 出力の分割数。 対数目盛です。