7.18. [ T-Volume ] セクション

各タリーにおいて mesh=reg とした場合、特定の unit の結果を正しく求めるためには、各セルの体積が必要となります。 [t-volume] セクションは各セルの体積を自動で計算するためのタリーです。 この体積自動計算機能では、各セルの物質を真空 (void) とし、特別な線源領域を設定したモンテカルロ積分を実行します。

本機能を使用する際は、[t-volume] セクションを設定し、[parameters] セクションにおいて icntl=14 としてください。 本タリーは、1 つのインプットファイルにおいて 1 つのみ指定できます。

[t-volume] の入力書式は、以下の通りです。

表 7.18.1 mesh

value

explanation

reg

メッシュ型です。 reg のみ指定可能です。

表 7.18.2 file

value

explanation

file name

ファイル名を定義します。

表 7.18.3 resfile

value

explanation

(optional, D=**file**)

再開始計算時の過去タリーファイル名です。

表 7.18.4 r-out

value

explanation

(optional, D=0.0)

外部ボイドの半径 [cm] です。

表 7.18.5 title

value

explanation

(省略可)

タイトル。

表 7.18.6 method

value

explanation

(optional, D=0)

モンテカルロ積分に関するオプションです。

0

粒子軌跡による積分です。

1

線源発生点による積分です。

表 7.18.7 s-type

value

explanation

1, 2

体積計算の線源の種類です。

1

球体系線源です。 原点 (x0, y0, z0) と半径 r0 が必要です。

2

直方体線源です。 x0, x1, y0, y1, z0, z1 が必要です。

表 7.18.8 x0, y0, z0

value

explanation

線源の形状を定義する座標です。

表 7.18.9 x1, y1, z1

value

explanation

線源の形状を定義する座標です。

表 7.18.10 r0

value

explanation

球体系線源の半径です。

表 7.18.11 stdcut

value

explanation

(省略可, D=-1

STD cut off のしきい値。

stdcut を指定すると、PHITS は STD、すなわち標準偏差の値に応じて自動的 に計算を停止します。 この機能は stdcut が正で、 [parameters] セクションにおいて itall=0,1 を指定した場合に利用できます。 1バッチの最後に、タリー結果の STD の相対値がすべて 0 より大きく stdcut より小さい場合、計算は停止します。 2つ以上のタリーセクションで stdcut を設定した場合は、それらすべてが 条件を満たした時にこの機能が動作します。

s-type により、体積計算時の線源の種類を指定できます。 s-type=1 では、中心を (x0,y0,z0) とし半径を r0 とする球の表面から、法線内向きに \(\cos\) 分布となるよう線源を発生させます。 s-type=2 では、x=x0x=x1y=y0y=y1z=z0z=z1 の面により形作られる直方体の 6 面から、法線内向きに一様な線源を発生させます。 いずれの種類の場合でも、対象とするセルが線源領域に十分な余裕をもって囲まれるようにしてください。 また、これらの領域に外部ボイドである物質番号 -1 の領域が含まれないように注意してください。

本機能を用いて PHITS を実行した場合、file(6) において出力される [source] には、体積計算で使用した線源の情報が書き出されます。 インプットファイルにある [source] の内容は出力されませんので注意してください。

リスト 7.18.1 [t-volume] の例題
     1:   [ T - V o l u m e ]
     2:     mesh =  reg            # mesh type is region-wise
     3:      reg = 101  102  103  104  105
     4:     file = volume.out      # file name of output for [volume]
     5:   s-type =    1            # 1: Sphere source, 2: Rectangular source
     6:       x0 =  0.0            # (D=0.0) x of sphere center
     7:       y0 =  0.0            # (D=0.0) y of sphere center
     8:       z0 =  0.0            # (D=0.0) z of sphere center
     9:       r0 =  50.0           # radius of sphere

[t-volume] において mesh=reg とし、体積を求めたいセルの番号を reg= にて指定します。 s-type の選択とこれに関連した x0 などのパラメータを設定することで、体積計算用の特別な線源領域を定義します。 基本的に、対象とするセルを囲むように線源領域を決定してください。 対象とするセルが線源領域を越えていると正しく計算できません。 また、逆に線源領域を広く取り過ぎると、計算時間が長くなってしまいますので注意してください。 求めた体積は、file= で指定したファイルに出力されます。 この出力ファイルの形式は以下の通りです。

リスト 7.18.2 [t-volume] の出力形式
[ T - V o l u m e ] off
     mesh =  reg            # mesh type is region-wise
          ....   ....     ....   ....
          ....   ....     ....   ....

[ V o l u m e ]
  non      reg      vol      non
    1      101   5.0370E+02  0.2909
    2      102   2.4727E+03  0.1634
          ....   ....     ....   ....
          ....   ....     ....   ....

# Information for Restart Calculation
          ....   ....     ....   ....
          ....   ....     ....   ....

[volume] セクションの形式で出力されるので、infl コマンド等により、icntl=0 とした本計算で使用できます。 ここで、[volume] の最後の列にある数字は計算した体積の統計誤差で、相対誤差です。 再開始計算のための情報も出力されていますので、統計誤差が大きい場合は、[parameters]istdev=-1 or -2 を加えて、再開始計算を行ってください。