4.4. DCHAIN出力ファイルの命名規則とパラメータ制限

DCHAINを実行すると、出力オプションに応じて約10種類の基本出力ファイルが生成される。ファイル名は実行方法によって異なる。主な出力ファイルを 表 4.4.1 に示す。

DCHAINの実行方法には、実行ファイルをコマンドラインから直接起動する従来方式と、<PHITS-install>/dchain-sp/bin/ にある dchain.bat または dchain.sh を使用する方式がある。従来方式では、入力ファイル名を \(name\) とすると、例えば dchain.exe <\(name\)>\(name\).lst のように実行する。この場合、出力にはDCHAIN内部で定められた固定ファイル名が使用される。

通常はバッチまたはシェルスクリプトを使用する。これらのスクリプトはDCHAINとANGELを順に実行した後、出力ファイルを入力ファイル名に対応する name.* 形式へ改名する。例えば、入力ファイルが example.txt または example であれば、各出力ファイルは example.* となる。

表 4.4.1 DCHAINの出力ファイル一覧

バッチ実行時のファイル名

単独実行時のファイル名

内容

*.act

spd-act.out

各出力時刻における全生成核種のインベントリ、放射能、粒子別崩壊熱、半減期、線量率、およびガンマ線スペクトル。

*.ang

angel-data.ang

各出力時刻の放射能、崩壊熱、線量率をプロットするためのANGEL入力ファイル。

*.gsd

out-gsdef

各出力時刻の光子フラックススペクトルを表すMCNP形式の線源カード(SDEF)。

*.pht

out-phits または gamma_tX.pht

各出力時刻の光子フラックススペクトルを表すPHITS形式の \(\gamma\) 線源カード。

*_RI.pht

out-risrc または RIsrc_tX.pht

各出力時刻の崩壊放出スペクトルを表すPHITS形式のRI線源カード。

*.mat

matcards.mat または matcards_tX.mat

核種インベントリを原子分率で表したPHITS/MCNP形式のmaterialカード。

*.dcs

out-dcychains

各計算時間ステップにおける核種インベントリの変化と、主な寄与を持つ崩壊系列図。

*.gso

out-gamsporg

各出力時刻の光子放出核種を、領域および概略エネルギービン別にまとめたファイル。

*.alr

out-allreg

各出力時刻における全領域合計の核種別放射能および崩壊熱。

*.yld

yield.out

各領域の照射・冷却終了時における核種生成量。

*.lst

*.lst

入力エコー、PHITS計算から受け取った値、崩壊ライブラリ中の核種確認、および各時間ステップの放射能・崩壊熱・CPU時間の概要。

*_pxy.ang

plot_xy-out

xyzメッシュの各z軸スライスについて、放射能の2次元XY平面図を作成するANGEL入力ファイル。

*_pxz.ang

plot_xz-out

xyzメッシュの各y軸スライスについて、放射能の2次元XZ平面図を作成するANGEL入力ファイル。

*_pyz.ang

plot_yz-out

xyzメッシュの各x軸スライスについて、放射能の2次元YZ平面図を作成するANGEL入力ファイル。

*.eps

n/a

対応する *.ang 入力ファイルからANGELが生成するPostScriptプロット。

*.foam

foamout1_tX.foam

四面体メッシュ体系用のOpenFOAM形式ファイル。

*.csv

foamout2_tX.csv

四面体メッシュ体系用のCSV形式ファイル。

*_tX.* 形式のファイルは、指定した各出力時刻 ITOUT に対して生成される。この形式でないファイルは、通常、1回の計算につき各種類1個だけ生成される。

DCHAIN内部には、本マニュアルの入力パラメータ節で説明していないものを含め、いくつかの固定上限値が定められている。主な制限値を 表 4.4.2 に示す。これらを変更するにはDCHAINを再コンパイルする必要がある。定義は dchain-sp/src/include/cm_inputs にあり、maxmat だけは cm_inputm にある。

表 4.4.2 DCHAINパラメータの制限値

名前

説明

maxitm

1000

照射/冷却時間ステップ数または出力時刻数の最大値。

maxmat

100

メッシュ体系のカード9に記載できる物質数の最大値(IMAT の最大値)。

maxtgn

250

ターゲット核種数の最大値。

maxdpl

251

dch_link.dat に記載するDCHAINデータフォルダーパスの最大文字数(PHITS入力の file(21) で指定)。

maxhl

1350

DCHAIN入力ファイルにおける1行の最大文字数。