PHITSコードのバージョンはphits3.36です。
改良点の詳細は,こちら(HTMLマニュアル内)の「1.1. 最近の改良点」をご覧ください。
また,Version 2.52,2.76,2.82,2.88,3.00,3.10,3.20,3.24,3.27,3.31,3.34,3.35,3.36への更新ポイントをまとめたPDFファイルも公開しておりますので,ご参照ください。
【 phits336 】 2026/04/24
Version 3.36では、光(可視光を含む)の発生・輸送機能の追加、原子核反応断面積モデルの拡充、特性X線・オージェ電子生成モデルの導入、HDF5形式によるタリー出力機能の追加、PHIG-3Dの可視化機能強化など、計算機能の拡張を行いました。あわせて、ソースコードのFortran90形式への移行、CMakeによるビルド環境の整備、PHITSマニュアルのHTML化、DCHAIN-PHITSの並列化、各種タリー機能の拡張など、開発基盤および周辺機能の整備を実施しました。さらに、エネルギー単位や ides パラメータの初期設定の変更を含む仕様変更を行うとともに、複数の不具合を修正しました。
【 phits335 】 2025/04/16
Version 3.35では、JENDL-5の放射化断面積をDCHAIN及びndata形式で整備しました。[t-wwg]に粒子誘導機能と低エネルギー・アンバイアス法を導入しました。[cell]セクションに#all機能を導入し、真空や空気など粒子輸送の舞台となる領域を簡単に定義できるようにしました。PHIG-3Dでxyzメッシュのタリー結果を読込・表示できるようにしました。PHITS専用化学コード(PHITS-Chem)において、放射線治療で使用される様々な種類の放射線に対してG値が計算できるよう開発しました。RT-PHITSを核医学線量評価に応用するツールExPORT-PHITSを開発しました。陽子・イオン用飛跡構造解析コードITSARTを改良しました。将来的にCADデータから変換されたデータをよりシームレスに取り扱うため、新たにHDF5形式の四面体メッシュ体系を読み込む機能を追加しました。
【 phits334 】 2024/04/19
Version 3.34では、高エネルギー核データとして格納していたJENDL-4.0/HE(陽子・中性子)とJENDL/DEU-2020(重陽子)をJENDL-5に入れ替えました。これに伴い、初期設定で利用する高エネルギー核データライブラリ(libパラメータ)は、光核反応やα粒子反応も含めて全てJENDL-5に統一しました。[t-deposit2]で検出器の分解能を考慮する機能を追加しました。文字列変数を使った入力ファイルを読み込めるようにPHIG-3Dを改良しました。従来の統計誤差に加えて、タリー結果に関する分散の分散(VOV: variance of variance)や性能指数(FOM: figure of merit)、確率密度分布(PDF: probability density function)といった統計指標を出力させます。水の放射線分解で生じるラジカルの挙動をシミュレーションするPHITS-Chemコードをパッケージに加えました。
【 phits331 】 2023/04/19
Version 3.31では、ガンマ崩壊モデルEBITEMを改良し、EBITEM Ver.2として完成しました。従来は原子番号が 32(Ge)までの核に評価済みデータを、それ以外の核は理論モデル EBITEM で計算していました。タリーの画像出力で同じページに表示するデータをコントロールするパラメータ samepageを導入しました。断面積出力モード (icntl=1) で核データライブラリに含まれる情報を直接出力する機能 (inucr=100)を導入しました。RI線源機能(e-type=28,29)を自発核分裂中性子源に適用可能としました。[t-sed]タリーに新しいモデルを導入し、PHITSに組み込まれた飛跡構造解析モデルに基づいてマイクロドジメトリ量を計算可能としました。ユーザー定義モデル(PHITS-UDM) を開発しました。連続四面体形状として許されない四面体同士の交差の有無をチェックするオプション itgchkを導入しました。
【 phits327 】 2022/03/31
Version 3.27では、NVIDIA TOOL KIT(旧PGIコンパイラ)に対応しました。NVIDIA TOOL KITを使ってコンパイルしたい場合は、makefileでENVFLAGS=LinNVIDIAとしてください。DCHAIN-PHITSを改良し、核分裂生成収率データを読み込めるようにしました。1 GeV以下の中性子・水素散乱断面積を選択するオプションicxnpを導入し、デフォルトでJENDL/HE-2007に格納された値を使うように変更しました。[track structure]セクションで、mIDを-1にしたセルに適用されます。[t-cross]に新たなoutputオプションa-fluxとoa-fluxを追加し、ある面を横断する粒子フラックスの角度分布を出力可能としました。AnatallyをOpenMP並列計算に対応させました。[t-yield]及び[t-dchain]を使った場合の計算時間を劇的に短縮しました。
【 phits324 】 2021/03/26
Version 3.24では、ICRU90に示された阻止能を使った計算機能を追加しました。具体的には、水・空気・炭素中における陽子及び炭素イオンの阻止能データベースを整備し、電子に関してはICRU90に対応した密度補正係数の利用の有無を選択できるようにしました。SCINFUL-QMDに格納された断面積を用いて有機シンチレータの応答関数を正確に計算するSCINFUL-QMDモードを導入しました。Adjoint modeを導入しました。22核種の評価済み高エネルギー核データライブラリJENDL-4.0/HEをPHITSパッケージに格納しました。長らく整備中だったicntl=1の一部機能(断面積・カーマファクター出力モード)を完成させ、その使い方をマニュアルに追記しました。ガンマ崩壊モデルEBITEMを改良し、RIPL(Reference Input Parameter Library)-3の核構造データを読むようにしました。
【 phits320 】 2020/04/06
Version 3.20では、陽子(E<300 MeV)及び炭素イオン(E<10 MeV/n)に対する飛跡構造解析コードKURBUC3を導入しました。光子によるミューオン対の生成を考慮できるようにしました。特定の領域における核反応生成粒子の統計精度を向上させるため [Repeated Collisions]セクションを導入しました。[t-cross]に、a-type meshの角度基準を決めるラメータiangformを新規追加しました。[frag data]に微分断面積を群データではなく点データで与える機能を追加しました。物質の阻止能をユーザーが与えるデータベースから直接読み込む機能を開発しました。電場マップ読み込み機能を追加しました。Xorshift64 方式に基づく新しい擬似乱数生成法を導入し、初期設定として利用するようにしました。
【 phits317 】 2019/10/31
Version 3.17では、四面体体系を使った輸送計算をMPI 並列で実行しようとするとエラーが起きて終了するバグを修正しました。これを回避するために,新しいパラメータとしてiannihを導入し,光子線源では消滅γ線を考慮しないオプションを作成しました。[source] セクションでマルチソース毎に異なるカウンター値を設定できるようにしました。[surface]セクションで定義した特定の面上から線源を発生させる新たな線源タイプ(s-type=26)を導入しました。Tallyの評価値及び統計誤差の推移をバッチ毎に表示する機能(itall=3)を導入しました。stdcutで定義した統計目標に達したタリーを順次,計算から除外するパラメータistdcutを導入しました。DCHAIN-SPを改良し,DCHAIN-PHITSとしました。主な改良点は,中性子放射化断面積ライブラリ及び崩壊データライブラリを最新のデータに基づいて整備した点と,PHITSの統計誤差の伝播を考慮した誘導放射能計算を可能とした点です。飛跡構造解析モードとユーザー定義タリーを組み合わせたDNA損傷計算機能を開発しました。
【 phits310 】 2019/03/19
Version 3.10では、連続四面体から線源粒子を発生させる機能を追加しました。s-type=24とすることにより利用できます。[weight window]及び[t-wwg]においてxyzメッシュ形状が選択できるようになりました。[multiplier]においてpartを指定できるようにし、粒子別の係数を定義できるようにしました。[t-deposit]でoutput=depositとし、dresolを設定した場合にpart=all以外の結果が適切に計算されないバグを修正しました。さらに、反応数(interaction)を計算するタリーであることが直感的に分かるように、タリー名を[t-interact]に変更しました。核子とガンマ線放出の競合を考慮できる統計崩壊モデルGEM Ver.2を導入しました。Windows PCにおいて、MPIプロトコルを用いたメモリ分散型並列計算が可能となりました。
【 phits302 】 2017/12/05
Version 3.02では、ユーザー定義タリー[t-userdefined] で指定できる新しいパラメータnudtvar とudtvar(i) を追加しました。任意のANGEL パラメータを指定できるsangel パラメータを追加しました。PHITS2.95以降に発生していた荷電粒子を輸送する際の角度分散(nspred=2)に関するバグを修正しました。ANGELによる2次元プロットの描画と連続四面体データの読み込みルーチンの高速化しました。
【 phits300 】 2017/10/05
Version 3.00では、[material]において、デフォルト設定ではcをコメント文字として使用できないようにしました。コメント文字として使用したい場合は、[parameters]においてicommat=1としてください。[t-deposit]において、複数領域におけるdeposit energyの総和を求める際に、条件に応じて重み付けを行う機能を追加しました。e-type=20と指定することで利用できます。[t-deposit]でユーザー定義関数2(usrdfn2.f)を使った場合に,Microdosimetric Kinetic Modelに基づいて生物学的線量を導出するように変更しました。指定した領域の体積をモンテカルロ積分法で自動計算するタリー[t-volume]を加えました。バッチ終了時に各タリー結果の統計誤差をチェックし,その値が各タリーに対してあらかじめ設定した値(stdcut)以下になった場合は計算を打ち切る機能を加えました。
【 phits288 】 2016/09/30
Version 2.88では、平均寿命886.7 秒で中性子が陽子,電子,反電子ニュートリノに崩壊する反応を考慮できるようにしました。EGS5 を用いて付与エネルギーを計算する場合に,ドップラー効果によるエネルギーの微妙なゆらぎを光子によるエネルギー付与とカウントしてしまうバグを修正しました。また,EGS5 を使って高エネルギー光子(約10MeV 以上)を輸送する際,ジオメトリを細かく区切ると光子の飛程が長くなってしまうバグを修正しました。阻止能計算モデルATIMA のアルゴリズムを改良し、高速化しました。3GeV/u 以上の重イオン核反応で使われるJAMQMD モデルを改良し,宇宙線輸送計算などの精度及び安定性を高めました。1 つのインプットファイルで複数のsumtally サブセクションを定義できるようにしました。マテリアルの核種ごとに核データライブラリー利用の上限エネルギーを設定できる[data max] セクションを追加しました。
【 phits282 】 2015/12/24
Version 2.82では、EGS5モードに関する次の改良を行い,本モードを使用した際に発生する幾つかのバグを修正しました。ipegsパラメータを導入し,PEGS5のみ実行したり,PEGS5は実行せずにPHITSのみ実行したりすることを可能としました。核共鳴散乱(NRF)計算機能を組み込みました。pnimulパラメータを導入し,光核反応を優先して引き起こす機能を追加しました。[source]セクションに,自発核分裂からの中性子線源を模擬するオプションと三角柱内に分布する線源を表現するオプションを加えました。Dump線源を使った繋ぎ計算時の統計誤差計算方法を改良しました。utilityフォルダに,連続四面体(TetraGEOM), ポイントタリー(tpoint),ユーザー定義タリー(usrtally)の使用方法の解説を加えました。[counter]セクションに,核分裂のオプションを加えました。
【 phits276 】 2015/03/05
Version 2.76では、電子・陽電子・光子の輸送にEGS5のアルゴリズムが利用可能となりました。Windows版のOpenMP用実行ファイルを64ビット対応にしました。PHITS パッケージに含まれるDCHAIN-SP のバージョンをDCHAIN-SP2001 からDCHAIN-SP2014に変更しました。複数のタリー結果を足し合わせる新しい機能“sum タリー” を追加しました(phits282以降では、[t-dchain]を除いた全てのタリーで有効となりました)。Kurotama モデルで、5GeV/n 以上の断面積を出力できるようにしました。光核反応によるπ生成や非共鳴領域の光核反応モデルを組み込むことにより、100GeV までの光核反応を再現可能としました。重イオン核反応モデルJQMD に相対論効果や初期状態安定アルゴリズムを組み込んだR-JQMD モデルを開発しました。
【 phits264 】 2013/11/20
Version 2.64では、[t-heat] を使って以下の核種に対する中性子からの付与エネルギーを計算した場合に、結果がNaN となってしまうバグがありましたので、核データライブラリを修正しました。核反応後に生成する残留核の脱励起をENSDF (Evaluated Nuclear Structure Data File) データベースに基づいて計算するモデル(EBITEM: ENSDF-Based Isomeric Transition and isomEr production Model) を導入しました。光子入射による準重陽子崩壊過程を組み込むことにより,140MeV までの光核反応を計算できるようにしました。電磁混合場における放射線挙動(電子除く)を模擬できるようにしました。[source] セクションにおいてエネルギー分布を定義する際、エネルギー微分値、すなわち単位が[/MeV] で与えられた線源スペクトルをそのまま利用できるようになりました。いくつかのアルゴリズムを最適化して計算時間を短縮しました。
【 phits252 】 2012/12/21
Version 2.52では、電子、陽電子、および光子の輸送について、新規のアルゴリズムを導入しました。DCHAIN-SP用のインプットファイルを作成することができる[t-dchain]タリーを新しく実装しました。新たなマクロボディーとして、楕円柱 REC (Right Ellliptical Cylinder)、カットされた円錐形TRC (Truncated Right-angle Cone)、楕円体ELL (Ellipsoid)、くさび形WED (Wedge)を追加しました。
【 phits250 】 2012/9/28
Version 2.50では、タリー出力の統計誤差が正しく計算できるようになりました。巨大共鳴反応断面積を評価済み核データである光子入射反応データ(JENDL-PD/2004)を使用するように変更しました。蒸発モデルのGEMを拡張し、統計マルチフラグメンテーションモデル(SMM)を加えました。核子、パイオン、軽イオン入射反応を精密に記述するINCL(Intra-Nuclear Cascade of Liege)模型を核反応模型として組み込みました。最新の反応断面積模型であるKUROTAMA模型を組み込みました。核子入射反応において軽イオン生成過程を取り入れたINC-ELF(Intra-Nuclear Cascade with Emission of Light Fragment)模型を核反応模型として組み込みました。ユーザーが任意の物理量を導出できるよう設定できるユーザー定義タリー[t-userdefined]を加えました。
【 phits230 】 2011/9/06
Version 2.30では、材料損傷の指標である原子あたりのはじき出し数(Displacement Per Atom, DPA)導出の計算モデルにおいて、輸送荷電粒子のクーロン弾性散乱の寄与を含むように拡張しました。これにより従来よりもDPAの再現性が向上しました。[multiplier]セクションを追加し、任意のエネルギー依存の係数を[t-track]タリーの結果に掛けることが可能となりました。dumpallオプションと[t-cross], [t-time], [t-product]におけるdump機能がMPIによる並列計算でも利用できるようになりました。[delta ray]セクションを利用して領域毎にしきい値エネルギーを指定することにより、そのエネルギー以上のδ線を発生させます。